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執筆者の写真PSYCHOSIS

無駄にエモい文章でごめんね。/松村翔子


皆さま初めまして。

「TSUYAMA30ー津山三十人殺しー」に阿部定役で出演させていただきます、松村翔子です。普段は、自身が主宰する演劇ユニット「モメラス」で劇作・演出をしております。俳優として舞台に出演するのは6年ぶりとなります。緊張してます。お手柔らかに。。


今回は、私がサイコシス出演に至るまでの経緯というか思いの丈を綴らせていただきます。長くて無駄にエモい文章です。ごめんね。


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私が初めて月蝕歌劇団と出会ったのは10年前。当時所属していた演劇カンパニー・チェルフィッチュを辞め途方に暮れていた頃だった。芝居への情熱が枯渇し何もかもに絶望していたとき、その状況を打破するため、とりあえずたくさんの舞台を観てみることにした。知らない演劇の世界に触れてもなお枯れ果てたままなら舞台から離れようと思った。

そんな中で月蝕歌劇団を観劇したとき、言葉にしがたい衝撃を受けた。ちょっと頭がエラーしてしまった。水底に沈澱したドス黒いヘドロのような闇を背負いながらも、悲観を笑い飛ばし一蹴する強かさと潔さに惹かれた。私は自分の闇をちゃんと引き受け、それを笑い飛ばしたいと思った。

そこから私は月蝕歌劇団の作品にいくつか出演させてもらうことになる。月蝕で出会う人々は実際、底抜けの明るさで力強く生きていた。あの日々は今思うと私の遅い青春だった。

月蝕歌劇団に出会わなければ生き抜く術を身につけられていなかったと思う。自信がなく精神脆弱な自分がまさかこうやって劇作家・演出家になるとは、思いも寄らないことだった。私は想像以上に強くなったのだ。モメラスのメンバーと走り抜け、演劇で賞をいただいたり海外に呼んでもらったりと、目に見えて評価されるようになってきた。

しかし結婚・出産を経てまた大きく躓いてしまう。産後鬱で著しく心身のバランスを崩してしまった。演劇を続けていくのが再び苦しくなっていたとき、演出の森永理科さんから今回の出演のお誘いをいただいた。

私はあまり迷わなかった。というか救われると思った。サイコシスの旗揚げ公演「ドグラ・マグラ」を観たときに感じた、故・高取英氏の戯曲を受け継ぎ新しい時代を築こうとしていく腕力と爆発力に、私も巻き込まれたい。そうしたらきっと、もう一度演劇と出会い直せる。私は生き返ることができる。そういう機会になるに違いないと感じた。

私たちは生まれた瞬間から死に向かって生きている。「人間は、中途半端な死体として生まれてきて、一生かかって完全な死体になるんだ。」と寺山修司が言うように。生きることは命懸けだ。私たちは毎日何かを殺している。殺して殺して、毎日をサバイブしている。誰かを/あなたを/自分を殺している。私たちは毎日死んでは、朝が来ればゾンビのように生き返る。前代未聞の大量殺人を犯した津山事件の犯人、都井睦雄に私たちが惹かれてしまうのは、そういった人生の真理を重ね合わせてしまうからだろう。

この作品はきっとまた、私にとってかけがえないものになる。

観に来てくださるお客様も、共に死にましょう。殺しましょう。そして何度でも生き返りましょう。

劇場でお待ちしております。

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写真は私の好きなシーンの一枚。

曽田明宏さんと柴奏花さんのアヘアヘシーン(高取語・濡れ場の意)です。





松村翔子



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兇魔劇「TSUYAMA30ー津山三十人殺しー」

脚本 高取英(『〈津山三十人殺し〉幻視行』より)

演出 森永理科

音楽 krishnablue/EURO(SPEED-iD)

絵 岡庭秀之(開座)




カンフェティにて整理券番号付チケット発売中!



ADVANCE TICKET 4,300yen



STUDENT TICKET 3,000yen

カルテットオンラインにて取扱中




キャストがみたいなどはTSUYAMA30特設ページへ




事前物販ECサイト




毎週土曜日21:00〜

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